自由研究所

大学院を辞めた。元院生としか名乗れない何者でもない名刺を持たない25歳のお話。

大人になっても覚えてる 赤ちゃん・幼児の絵本 グリム童話編

 

今回はグリム童話のお話。ひとくちにグリム童話といっても膨大な数がある。そんな中でも子供と一緒に読める、ちょっとマイナーでちょっとおしゃれなグリム童話

 

 

 

つぐみひげの王さま

「おまえが あんまり いばっていて ほかのひとを ばかにして いたから おまえのためを おもって やったのだよ」

 

 

求婚者をバカにしては追い返してしまう、容姿端麗で自信家のお姫様。王さまが開いた大きなパーティでもお客に対して「ビール樽」「うどの大木」と暴言を吐きます。王さまはそんな娘の態度に腹を立てて、お姫様を「こじき」と結婚させてしまいます。「こじき」の妻なのだからと城を追い出され貧しくひもじい生活を余儀なくされ…。最後はハッピーエンドで終わるお話です。

 

 

 

こびとのくつや

「おれたちゃ ほんとに すてきなこびと くつやの しごとは もう おしまい」

 

靴屋の主人が明日縫い合わせようと靴の革を机の上にいておくと、次の日にはそれはそれはできのいい靴が出来上がっていました。とても見事な出来栄えなので、お客はお金をたくさん払って買っていってくれました。そのお金で更に次の靴の革を買い、またほおっておくと翌朝にはまた靴が出来上がっていました。靴屋の主人が夜中にこっそりのぞいてみると、靴をつくっていたのは2人のこびとでした。貧しい靴屋に現れた2人のこびと。大判の本に暖かな絵柄、短いお話の中にほっこりとした温かいものを感じることができます。

 

 

 

くまの皮をきた男

「人間のすがたもしていないような人を、どうしておむこさんにできるかしら?」

 

 

戦争が終わり用済みとなった兵士。おれなんぞもう用なしだ、と不貞腐れている所に見知らぬ男が声をかけてきました。「七年間、体を洗わず、ひげにも髪にもくしを入れず、爪も切らず、祈りもせずに生き延びたらお前を金持ちにしてやろう」と悪魔と取引をし熊の毛皮を着せられた兵士。くまっ皮と名乗り放浪の旅を始めます。子供にとっては下書きとも思えるような線がたくさん入った絵柄ですが、画家のフェリクス・ホフマンの手書きの絵本を原稿として新たに製版したものとなっており、味わい深いものになっています。

 

 

 

 

金をつむぐこびと

「あくまのやつが、おしえたにちがいない!」

 

「むかし、あるところに水車小屋がありました。水車小屋のあるじは、まずしいくらししていましたが、とても美しいむすめがひとりありました。―――」水車小屋の主は娘を自慢したくなり、王さまに対して「うちの娘は藁を金に紡ぐことができる」と嘘をついてしまいます。それを聞いた王さまは娘を城に拘束し無理難題を出します。本当は藁を金に紡ぐことなんてできないのに…。そこに現れたのが1人の小人。小人は困った娘を助けてくれるのですがこれがまた厄介者で…。

 

 

 

 

とんでもないおきゃくさま

「まったく きょうは なんて日だろう!」

 

 雄鶏と雌鶏夫婦のお話。実ったクルミを食べに行った先で出会ったアヒルを力づくで負かし自分達の乗った車を引かせたり、そのアヒルを買ってに差し出したり、わざわざ泊めてくれてごちそうまでしてくれた宿主に散々な仕打ちをしたり…。とにかくめちゃくちゃなこの夫婦。絶対に隣人にはなりたくない悪質極まりないこの夫婦。何が悪質かって、本人たちは全く悪人面していないこと。反面教師的に読む物語とはわかっていつつも、この夫婦を懲らしめる描写があればスッキリするのになと思うばかり。

 

 

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